「午後の居場所で」という題名で、新聞の家庭欄に作家の落合恵子さんがエッセイを寄せられています。そして、それをいつも楽しみに読んでいる私です。昨日は落合さんと彼女の母親とのやりとりが、ほんのちょっとした出来事にからめて書かれてあって、自分のことはいつも後回しにして、まるで楽しむことを避けるかのようにいろんなことを我慢をし続けてきた母親が、好物のお寿司のなかでもとりわけ大好きなトロから箸をのばした・・ その驚き、喜びが、娘である落合さんの目から描かれていて、読んでいるうちに胸がジーンとしてしまったのです。
落合恵子さんとその母親との関係といえば、彼女の自伝と言われている作品「あなたの庭では遊ばない」を思い出します。その本をもう一度今日読み返してみました。一枚のお皿を一時間をかけて洗う不潔恐怖症という神経症の彼女の母親のことが大きな軸となっているこの本ですが、母親がどうしてそんなふうになってしまったのか・・そのことから、さまざまな問題点が浮かび上がってきて、母親を通して家庭のこと、それを取りまく社会について述べられています。彼女と母親の関係は、落合さんがフェミズムに傾倒していったその原因のひとつにも考えられるぐらい、彼女のそれからの人生に影響を与えたようです。友人や仕事で関係した女性たちとのエピソードも織りまぜながら、”女性の生き方”という大きなテーマに挑戦したかのようなこの本・・ 読んでいるうちにやるせないほどの重いものを感じながら、私自身も目をそらさないで考えなはくていけない大切なこと、そのことにも気づかせてくれた、読んでほんとうによかった本・・。
新聞に寄せられた落合恵子さんのどちらかといえばほのぼのとしたエッセイと、ため息が出るくらい重いテーマをあつかった「あなたの庭では・・・」の本が私の中で重なり、母と娘・・ 肉親だからこそ生じる愛や葛藤について思いました。
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