東京日和


原作『東京日和』を読んだことがある私は、とても楽しみにしてこの映画を観ました。最初は妻ヨーコさんのエキセントリックなところや奇行ばかりが目についてしまったのですが、モデルになったという荒木経惟、その妻陽子さんとは、また違った夫婦の物語になっているようですね。
完璧な人同士がカップルになって生活する・・・ そんな理想的な夫婦なんてきっとどこにもいないはず。みんな、欠点やらどうしようもない弱さを抱えて生活しています。そして夫婦というのは、相手のどうしようもない部分をいちばん目にしているはず。
「しかたがないなあ〜」そんなことを心の片隅で思いながら時々はぶつかり合って、それでもいっしょに暮らしていくのだと思います。””から””にゆるやかに関係を移行しながら・・・。そんなメッセージを私はこの映画から感じました。

二人がずっと暮らした部屋の中・・テーブルの上には器に無造作に活けられた小さなひまわりが2輪、カップに注がれた湯気のたつミルクティー、椅子にちょこんと座っている茶トラの猫・・・ ラストあたりの私の大好きな場面。今は亡き奥さんを思ってちょっぴり感傷的になる、男の前に広がる温かい場景たちが好き。
そして、ヨーコ役を演じた中山美穂のきれいなこと。透明感のある美しさに、同性ながらウットリしてしまいました。