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時雨の記
吉永小百合と渡 哲也、二人の共演が話題になった映画です。妻子ある五十代の男性と美しい未亡人との大人の恋愛は、二人のあいだに身体の関係がないことから純愛もの、ともよべるのでしょうね。
華道、和服、俳句、紅葉、古都…古くからある日本の美が随所に織りこまれていて、二人の関係を情緒あるものに演出しています。大人の恋愛だからでしょうか、ふたりのあいだには激しさよりも静けさとやすらぎが漂っているように感じました。
同じく不倫をあつかった映画といえば『失楽園』を思い出してしまうのですが、この映画からはもっとうちに秘めた静かなものを感じました。だけどちょっと嘘っぽい・・ 心の揺れや葛藤などがあまり伝わってこなかったのです。大人になってからする恋愛だからこそ、もっと生々しくてやるせないはず…そう思っている私だから、どこか”おとぎ話”のような感覚でこの映画を観てしまったようです。
渡 哲也が演じる男は、二十年ぶりに再開した女(吉永小百合)に恋をするのですが、もしかしてこの二十年間、この女性のことを彼は思い続けたのでしょうか。だとしたらそれはすごいこと。
ずっと会わないでいると男女の関係はだめになってしまうのか、それとも心の奥でくすぶり続ける思慕の念は、いつまでも消えることがないのか…この映画を観ながらいろんなことを考えてしまいました。
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