|
菊次郎の夏
北野武監督の映画です。同監督の映画『HANA-BI』が感動したものの、悲しいラストや暴力シーンの数々にどこか戸惑いがあった私ですが、この映画は理屈ぬきに楽しむことができました。たくさん笑い、そして涙した私…。
ビートたけし演ずる中年男と少年が織りなすロードムービー。浅草から豊橋までの道中を大笑いしながら見た私です。たけし軍団のメンバーも出演しているこの映画…扮装あり、タップダンスありと、エンターテイメント性の高い作品になっているのですが、けっしてドタバタした印象にならなかったのは、監督たけしのすごいところなのでしょうか・・。少年を母親のところに連れていく男というのがけっしていい人というのではなくて、平気で嘘はつくし、大切なお金をギャンブルに使ってしまう…そんなどうしようもない男、という設定が面白かったのです。
旅を続けるうちに中年男と少年の間には”友情”のようなものが生まれます。それは親子間の愛情とも種類が違う、あくまでも友情、というのがきっとポイント。
映画の中にたくさん盛り込まれた笑い。
笑いによって傷ついた少年の心がほぐれていく、そんな場面が印象に残っています。”笑い”の世界でずっと生きてきたたけし監督の思い、姿勢がこちらに伝わってきました。
北野映画の特徴・・説明をあまりつけない、というのがあります。
ナレーションや余分な会話をそぎとってギリギリのところで勝負する、その感じが好きなのです。この映画でも少年のうなだれた姿やそれを見て戸惑う男…会話なき、そんな場面が多くを語っています。
|