風の歌が聴きたい
大林宣彦監督が、実在する耳が不自由な夫婦のお話をもとに作った映画。
障害者をあつかった映画ですが、けっして同情をひくようなお話にはなっていなくて、見ているあいだじゅう、さわやかな感動に包まれます。
映画を見ながらこんなに泣いたのは久しぶり。とても感動しました。
主人公の高森(雨宮良)と奈美子(中江有里)のふたりの夫婦愛がベースになっている映画ですが、高森とその父親の関係がよくて、耳が聞こえないためにきちんと喋れない息子に、恥ずかしがらずに声を出すことを幼い頃から教えこむ・・厳しい父親の態度にほんとうのやさしさを見ました。
中でも いちばん泣けた場面は、聴力障害のために就職試験に落とされてばかりいる奈美子が高森のもとに電話をかけるシーン。物言わぬ奈美子と耳の聞こえない高森の、器官を通りこした感覚での意志の疎通。声のやりとりはなかったものの、辛い気持ちとそれを自分のことのように受けとめる、彼らの強い心の通じ合いを感じました。
彼の作品を観ることは私にとって心の大掃除をすることに等しい。
大林監督の映画を見た時にいつも感じるこの気持ち。
映画を見て、感動して思いきり泣いて・・ 心の大掃除ができたので、すっきりしています。
彼の映画には真の悪人が出てこない。だから安心して見られるのだと思います。
これってすごいことだと思いませんか?