はるかノスタルジィ


題名のとおりノスタルジィあふれる作品は、167分という大作。小樽が舞台になっているこの映画、勝野 洋演じる中年男が石田ひかり演じるひとりの少女と出会うことで、かつて心の奥に押し込めていた過去の自分に光を当てていく、そんなストーリー。
あまい回想シーンを想像していた私はこの主人公の男性のあまりにもの壮絶な青春時代の過去に驚いてしまい、このような辛い過去でもそれに光を当てていかなければならない、そのことにショックを受けてしまったのです。忘れてしまいたいほどのイヤな過去でも自分はたしかにそのその時代を生きてきたこと、それを受けとめてしっかりと見つめ直すことの大切さ、そこから新しい自分がスタートする・・・ このことが映画のテーマになっているように感じました。
大林宣彦監督の作品に流れている甘ったるいほどのやさしさ。それがこの映画では奥に潜んで現実としての厳しさを感じてしまった私です。

懐かしさを感じるどこかひなびた美しさのある風景、きれいな音楽、少女のあやういような可憐さ…それらが透明感をもってこちらに伝わってきます。せつなさと哀しさの紙一重のところにある美しさが感じられる映画。
主人公の男性の気持ちを”語り”にしてたくさん流していたことが、この映画に説明をたくさんつけてしまっていて、そのことが少し残念に思いました。