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コキーユ(貝殻)
同窓会で出会った二人が恋に落ちる、というのはよくありがちなお話。
「まるでメロドラマみたい」
そんな乗りで見ていた私もストーリーが進むにつれて、いつしかじっと見入ってしまいました。
どちらかといえば寡黙で思いをじっと秘めるタイプの男(小林薫)と、自分の思いを隠さないで少女のようにかわいい無邪気さを見せる女(風吹ジュン)。ふたりの恋には激しさはないものの静かにやさしく進んでいき、映画の間中流れているピアノ曲のせいかしら、すっーと心にはいっていきます。
若い男女の恋がカラッとした晴天を思い出させるなら、年齢を重ねた男女の恋は、しっとりと落ち着いた雨の日を思い出させます。恋する気持ちにとまどい、揺れるふたりの姿からは、不思議と「不倫」の匂いがしません。
それぞれ家庭をや仕事をもって生活を送り、日常の中にふだんは隠されている過去のキラキラした思い出たちがふとしたきっかけで浮かびあがる…その時、そこにすっと入っていける人は幸せ。
ふたりがはじめて結ばれる温泉でのシーン。どこか現実感のない映像が日常に疲れたふたりを包みこんで恋物語の世界に誘い込む、そんな場面が印象に残っています。
山本おさむの描いた原作本も読んでみたくなりました。
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