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愛を乞う人
下田治美さん原作の本を読んでから観た映画。原作を読んでしまうと映画がいまひとつに思えてしまうことはよくあるのですが、この映画は原作に流れていたある大きなテーマがじゅうぶんに感じられて、とてもよかったと思います。
原田美枝子演じる母親とその娘との凄まじい虐待のシーンはあまりにも壮絶で、思わす目をそむけたくなるほど。だけどどんなに酷い場面がたくさん出てきても、全編からたくさんの「愛」が感じられたこと、そのことが救い。
たとえ鬼のようなひどい母親でも、毎日のように殴られても、ずっとずっと心のそこから愛されたかった・・・ そう願いながらじっと耐えてきた主人公。大人になって自分が母親になった時、彼女は娘を無条件に健全に愛することができる女性に成長します。そして主人公は、娘を連れてかつて自分を愛してくれた父親の故郷台湾を訪ね、その遺骨探しをします。悪戦苦闘をしてしまう遺骨探しの旅・・・ この旅が「愛」を探す旅に思えてしまったのは私だけかしら?
母親が娘に対して、どうしてあんなにひどい虐待をくり返すのか、その理由がまったく分からないままに映画が終わってしまったことがちょっと残念。だけど原田美枝子の演技には、「理由なんかどうだっていいのよ!殴りたいから殴っているだけ」
そんな声がかえってきそうな、そんな迫力すらあったのです。
ずっと報われない愛にしがみついていた主人公が、そんな自分にさよならする、そんなラストが感動的。人の持つ弱さ、強さ・・その両方が胸に伝わってきます。
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